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Prince of Tennis

きみと歩む未来のお話

 ただいま部活はお休み。テスト前週間。
 ゴンタクレで幼い可愛い後輩兼恋人は、今は眉間にシワを寄せまくって険しいお顔で問題集とにらめっこ中。
 鉛筆 (金ちゃんは未だに鉛筆削りを使っている) の動きは一分前から完全にストップしていた。

「金ちゃん、どこが分からんの?」

 一生懸命やっているときは厳しくする必要などなくて、基本的に金ちゃんに甘い俺は見かねて助け船を出す。

「うぅぅぅ〜、しらいぃしぃ…」
「うん? 大丈夫か? なんか頭から煙出とるように見えるで」
「やって、どこが分からんかもよぉ分からーん…!!」

 金ちゃんはぴーぴー泣き出した。

 好きなことはすぐ吸収出来るのに勉強だけは本当に駄目らしい。
 日々の宿題にテスト前、その度に根気強く教えている俺はもう馴れた。

「金ちゃん勉強ホンマ苦手やなぁ。俺が卒業したあととかめっちゃ心配やわ…」

 思わずそんなことをポツリ。

「…卒業?」

 金ちゃんの眉間に先程とは違う種類のシワが寄った。眉の形も今度は八の字型。
 あ、これはあかん。自滅。自爆。想像して自分でもへこんだ。

 しかし金ちゃんは、

「なぁ、なんでぇ? 白石、高校入ったらもうわいに勉強教えてくれんの?」

 そんなんいややぁぁ、と手足をジタバタさせる駄々っ子になった金ちゃんを、俺はポカンと見つめた。

「金ちゃん、俺が卒業しても勉強教わりにきてくれるん?」
「んー、うん。ホンマは勉強嫌やけど、白石といっしょに居れるし、白石の教え方上手やし」

 あと光は教え方怖いしぃ…と指折り数えながら付け加え。

「てか会いに行かんわけないやん!」

 ―― わい、毎日白石に会いたいでっ。

「白石は違うん?」

 くりくりの瞳で俺を見上げながら、真っ直ぐな言葉を届けてくれた恋人を勢いよく引き寄せて、気が付けばきつく抱きしめていた。

 ―― 俺も毎日、金ちゃんに会いたいわ。


 [ おしまい ]
白金
お家で勉強会とかこのあとエロフラグですね分かります、って相方に言われました。笑
12.05.19 up