sweet dreams
【 跡部 side 】
すぴすぴくーくーと、平和で幸せそのものとしか言いようのない寝顔が傍らに落ちている。
あたたかなお日様色をした髪に指を絡めれば、
ふわふわとした感触が返ってきて、
こちらまで幸せな気持ちが広がった。
「あーあ、ったく涎…」
後ろから覗き込んで指先で口元を拭ってやれば、
「むにゃ、あとべー…?」
もそもそと寝返りをうち、
寝ぼけ眼のまま腕を伸ばしてくるのを受け止める。
その際に、ころりん、とジローの腕から転がり落ちた羊のクッション、
いや枕か、を拾い上げ、頭の下に敷いてやりながら、
近くなった額にそっと唇で触れた。
「おやすみジロー」
―― 良い夢を。
【 ジロー side 】
なんだかほわほわ幸せな夢を見ていて、
(…内容はよく覚えてないんだけど)
意識もふわふわ浮上した。
誰かにぎゅって抱きしめられている感覚。
すごくいい匂いがしてあったかくて、
あっ、これはあとべだな、て思いながら、
ゆっくり瞼を持ち上げた。
そしたら、やっぱり吐息も触れ合うほどの至近距離にあとべの綺麗な顔があって、ちょっちビックリ。
今は隠されている青い目を縁取る睫毛がすっげー長くて、ほわーっとしばらく見惚れる。
「あとべー、寝てるぅ?」
おでこを引っ付け合わせて内緒話みたいにこしょこしょ囁くと、
その睫毛がぴくりと震えた。
「ん、じろぉ…?」
まだ覚醒しきってないだろうに、あとべの口からはちゃんとオレの名前が紡がれる。
それが無性に嬉しかったオレは、ついつい目の前の柔らかな唇を奪った。
眠るのだいすきだよ。
でもね、オレは起きていても、あとべといれば幸せな夢が見れるんだ。
すげーっしょ?
ジロ跡
本日誕生日だったのですがうささんから頂きました!!
あまりに嬉しくて小話つけてお披露目です。
べ様の眼差しと指がすごく優しくてジロたんの髪になりたい!! と何回も言ってしまいました。笑
下のは元の色かつ文字入れバージョンです〜。背景のは色を少し淡くいじっています。
うささん本当にありがとうございましたーv
12.05.23 up