花 の 雨 を 君 に (ロスサガ)


 その日、双児宮にやって来た聖域の英雄は、
 その腕いっぱいに沢山の花々を抱えていた

 きょとん、と眸を瞬くサガを見つけ、いつも見せる眩しい笑顔のまま、
 その花をサガに降らす

 はらりはらり、と
 視界を染める花々をサガはやっぱり眸を瞬きながら見ていた

 「…ロス、お前は何がしたいのだ?」

 膝の上にある花弁をいちまい手に取り、呆れながら彼を見上げる

 「うん、誕生日だから」

 彼はニコニコと楽しそうに答えた

 「お前の生誕なのに、わたしを飾る意味がわからないのだが…」

 「サガが綺麗だと俺も嬉しいから」

 だからこの花はサガにあげるね、とプレゼントを贈る立場なのに
 逆に貰ってしまい、サガは困り果てた

 「わたしが貰っても……」

 言いよどむサガを、よいしょ、と抱きかかえる

 「ななななっ、何の真似だ!」

 動揺しまくりのサガの耳元にくちびるを寄せ、

 「かわりにサガを俺に頂戴」

 口付けの特典付きでそっと囁いた



サガ様はロス兄に人馬宮にお持ち帰りされましたとさ (カノンたんが怒るな…)
ロス兄さん、はぴば!ロスサガでお祝いです。
サガとカノンは白い花で飾りたくなります。
花よりサガ様なロス兄さんなのでした。
















 君 の 嘘 は 優 し す ぎ る か ら (ロス←サガ)


 その背に翼を持つあのひとは
 いつも遠い遠い場所に
 飛び立ってしまいそうだった
 いや、本当にその気になれば
 いつだって
 この地から飛び立てるひとだった

 だからこそ願った

 もし…
 お前が飛び立つ意思を固めた時は教えて欲しい
 わたしの背には翼が無いから
 きっと一緒に飛び立つことは出来ないけれど
 きっとわたしは無様に地に墜ちてしまうけれど
 わたしは淋しいのは嫌だから、
 …だから

 だが、
 そこまで言い掛けて必ず言葉は止められた
 彼はにっこり微笑み答えを返す

 「大丈夫。俺も飛び立つことなど出来ないから」

 わたしはお前のその言葉にひどく安堵したことを覚えている、のに、
 どうして…
 今のわたしは独りなのだろう

 投げ掛ける疑問に答えを返してくれる者は誰も居ない
 声は青い空に響き、消えていく
 ああ、わたしの世界は絶望に塗り潰されている、
 そう思った瞬間 ――
 お前の答えの代わりのように柔らかな風がわたしの頬を撫で、
 涙をさらっていくから
 わたしはいつも
 お前を憎み切ることが出来ないよ、アイオロス



ロスサガも好きです。受けのサガ様カワイイ…!
サガにはロスの背中に翼が見えていたんじゃないかなーと思います。
あ、射手座の聖衣は関係なくて、自由の翼が、
それがサガにはどうしようもなく淋しかったのかもしれない、と思うのです。
















 願 い 事 は 唯 一 つ (ロス→サガ)


 虚の笑顔で綺麗に微笑うそのひとは
 時折ひどく淋しそうだった

 だが、理由を知らない俺は、その痛みに触れることが出来なかった
 知りたいと望んでも君に頑なに拒まれた
 あれは哀しかったなあ…
 うん、淋しくもあった

 なぁ、サガ
 君はよく淋しいと言っていたね
 この世界に生まれ落ちて、
 自分の半身と離れ離れになったことが、
 ひとりになってしまったことが淋しいって

 でも周りを見てごらん
 この世を嘆く言葉を並べる前に周りの声に耳を傾けてごらん

 本当に君は独りだった…?

 俺が居た
 デスマスクが居た
 シュラが居た
 アフロディーテが居た
 そして君だけが知る、君が大切に想っている、君だけの半身が居た

 その事実に君が気付くことが出来るまで側に居てあげたかったけど
 いや、俺が俺の意思でずっと君の側に居たかったけど
 ああ、でも困ったな…
 もう時間が無いみたいだ

 女神よ、今だけ貴女以外の神に祈ることをお許しください

 君は俺の名を知り、風の神の名だな、と嬉しそうに教えてくれた
 だから祈ってみるよ

 風の神よ
 どうか貴方の力を貸して欲しい
 彼が淋しいとき
 彼の元に優しい風を運んで頂きたいのです
 そして
 その風でどうか
 泣き虫の彼の涙をさらってください ――



ロス兄は風の神様の名前なんですよね。
双子は風の属性の星座だから!まあ、そんな!
はあはあ M O E な設定!と思いながら書いたお話です。
いろいろと好き設定をぶち込んでみました。
こう、わたしの中の勝手設定ではカノン、ロス、そして年中組の3人は
サガの倖せを願っている人たちです。
















 見 せ た く て 見 せ た く な い (ロス→サガ)


 人を妬みことや、無いものねだりすることを
 君は浅ましいことだと、ひどく嫌っていたね

 でも俺はさ、
 完璧で在ろうとする君のそういう感情が好きだ

 何故なら君は俺以外のものに、
 その感情を抱かないだろう

 自分は君の特別なのだと思い、心が満たされる

 君の負の感情に暗い悦びを見つけてしまった
 こんな俺を知ったら君はどうするかなぁ、サガ…



黒いロス兄さん。略して黒ス (おい)
ロスはサガの完璧で在ろうとする、その頑張りを知っていた人なら良いなぁ、と思います。

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