PERSONA2

「ちんやーん！」

　背後からごすっと抱き着いてきたリサをおんぶ状態で抱き留める。

「リサ、達哉が重いって」

　左からは淳がするりと腕に腕を絡ませてくる。
　見えないけれど、二人が火花を散らしている気がしてちょっと熱い。

「つか、どっちも重そうに見えるけどよ」

　右隣にいる栄吉の学ランを軽く引っ張り助けを求めると、背中の重みがなくなった。

「はなせ、パンツ！」

　ごすっとリサの重たそうな蹴りが栄吉に炸裂した。

「タッちゃんが重いっつってんだよ！」
「あたし重くないもん！」

　目の前では、舞耶姉が笑っていた。

「仲良しね！」



　ああ、もう、それはもう。
　シアワセなんだよ。


　[ end ］

あなたの司るアルカナが月ならば、

カードはずっと逆位置であれば良い。あって欲しい。

そうすれば、あなたの下に危険が降り注いでも 「回避」 出来るのだから。


　[ end ］

ひとは変われる。

屈託ない笑顔と優しさは変わらぬままに、

昔の弱さを見せないように自分を奮い立たせている栄吉を見ると、

子供の頃のまま、アラヤ神社で蹲る自分が恥ずかしいと思う。


　[ end ］

　ゆびきりげんまん。
　うそついたらはりせんぼんのーます。
　ゆびきった♪

　高らかに響く二人分の声。交わされた約束。
　一度目と二度目は守れなかった。三度目の出逢い。
　新たな刻の中で、ようやく約束は果たされる。

「…約束まもったぞ」

　―― …淳。

　『僕たちがお姉ちゃんを守ろうね』

　たとえ君の記憶に、
　交わされた約束が残っていなくとも （淋しいけれど） 構わない。

　おれの心がずっとずっと覚えているから ――


　[ end ］