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PERSONA2

きみはシアワセになるために生まれてきた

 でも、俺のシアワセはもうこの世界から消えてしまった。

 だからこそ、もうひとつの世界で、俺のシアワセを凝縮して存在していた、舞耶姉と栄吉とリサと淳が笑顔で在れば良いなと思う。

 そして、俺ひとりの力では、それを確かめることが出来ないので、兄さんに微笑っていてほしいと思うんだ。

「どういう判断基準だ」

 だって、俺の兄さんが微笑うと、向こう側の兄さんも笑顔でいてくれるような気がして、向こう側の兄さんは舞耶姉が好きだから、兄さんが微笑っているのは、きっと舞耶姉が笑顔でいるからだろうって思えるんだ。

「滅茶苦茶な上に非常に遠回りだな」

 克哉がやれやれと呆れたようにため息をついた。

「僕には分からないが、お前の話を信じるとして、達哉、お前が微笑えば、その向こう側にいる僕とやらも倖せになれると思うぞ」

 なんで?

「向こう側とやらの僕がどうかは全く知らないが、今お前の目の前にいる兄さんは、お前の微笑った表情が好きだからだ」

 克哉の言葉に、難しい話を聞かされたときの栄吉のように頭がプスプスしてきた。

「だから簡単に言うとだな」

 ―― 微笑ってごらん、達哉。

 鳶色の眸を大きく数回瞬いて、

「兄さんも遠回りだ」

 達哉は困ったように、ふわりと微笑った。


 [ end ]

罪克哉×罪達哉

08.05.25 up






あなたは醜いわたしを映す鏡

カワイイ弟

達哉、僕はな、お前がかわいい。愛しい。そして疎ましい。
お前は、私の大切で、何よりも壊したい弟だよ。

赤い眸の兄が愉悦の笑みを浮かべて、そう紡いだ。


 [ end ]

シャドウ克哉×罪達哉

08.04.18 up