っと気付いた


 傷だらけ
 痣だらけの体を抱き、思う

 「ヴィリッド…痛かった?」

 当然だ
 途轍もなく痛かっただろう
 体も心も…

 心の底から心配しているわけでもないのに
 檻の中に囚われている弟に向かって
 何度も何度も馬鹿みたいに繰り返した問い掛けを
 また繰り返している

 答えはあの頃を同じように返って来ない

 でも
 今なら
 一緒に行こう、と手を差し伸べてくれた優しいお前だから
 うん、沢山痛かった。でも大丈夫だ、って答えてくれる気がするのに…

 ただこれは
 固く閉ざされたその眸が開かれないから
 もう決して知ることの叶わない予感だった


end



倖せになって欲しかったのに、と本誌の展開に涙しながら
お兄ちゃんもだけどヴィリッド弟健気でほんと泣ける…



back