だいすき
返して、アリエッタのイオン様を!
そう叫びながら
わたし、いつも違う人のことを、
シンクのことを考えていた。
だって、シンクはアリエッタが 「シンク」 って呼ぶたびに、
「傍に居ても良い」 ってお願いするたびに、
「ボクはお前が望む導師じゃない…」 って言うの。
シンクの顔は、いつも仮面で見えないけど…
その声がとても哀しそうに聞こえた。
違う、違うよ。
アリエッタはシンクのこと考えると胸がぎゅってなって苦しい。
だからイオン様と逢って、お話して、たしかめたかった。
イオン様でも胸がぎゅうってなるかどうか…。
きっとね、
イオン様とお話しすると、胸があったかくなって、ホッとする。
シンクのときみたいに、ぎゅうっ、とはならないと思うよ。
シンクに信じてもらえないとすごく哀しいから
哀しくなって、泣きそうになるから
アリエッタが泣くとシンク 「泣かないでよ」 って怒ったように
(あ、時々困ったように)
言うから
ちゃんとたしかめて、
シンクに 「シンクはシンクだけだよ」 って伝えたかった。
アリエッタのイオン様はひとりだけ。
でもアリエッタのシンクもひとりだけなの。
かけがえのない、
世界でたったひとりの
大好きなシンク。
end
シン←アリぽいイメージです。
胸がきゅんとなる可愛い御二人だと思います。
倖せになって欲しかったな…。
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