大事にしまっておきたいけど、めちゃくちゃにしてやりたい
弱くはないけど、大事にしまっておきたい。
でも、めちゃくちゃにしてしまいたい。
…俺にとって天野銀次とはそういう存在かもしれない。
「っ、あ…蛮ちゃ…!」
握力200キロ以上の右手で組み敷いた視線の先、ハァハァと荒い呼吸を繰り返す銀次の唇に噛み付いた。
「ぁっ…ふッ、んんゥー…」
銀次の唇は男のそれにしては柔らかい。
喘ぐ声も可愛らしく (本人は嫌なようだが) 普段ガキとまんま変わりねぇ艶とか色気とかと、かけ離れた表情しかしないくせに、結構反則だと思う。
「蛮ちゃん、もぅ…やぁ!」
「なんだよ、早ぇなァ…」
この手で開発した感じやすい身体を、相変わらず堪え性がないと揶揄してやれば、銀次は琥珀色の瞳にうりゅ〜…と涙の膜を張った。
こういうところはやっぱ普段とまんま変わらなくてガキみてぇ。
銀次がやるにはいとけなくて、俺には好ましい。
「だってだって、蛮ちゃんが触るっ、からぁ…」
「あン?」
触らなきゃ触らないで懇願するくせによ。
「じゃあ、やめるか?」
拘束も下腹部に触れていた手もパッと解放してやる。
「やっ、いやぁ! やめ、…なで……!」
ほらな。
「蛮ちゃっ、やめないでぇ…」
目元を赤く染めながら、ふぇぇっ、と泣き付いてくる。
可愛い、銀次。
お前以上に俺を堕とすやつには、きっと二度とお目にかかれねェや。
[ end ]
蛮×銀次
ちょっとお色気風味が書きたかったんですが、ホントにちょっと過ぎたかも (笑)
美堂さんがあんなにメロメロになるのは後にも先にも銀次にだけ。きっと、絶対
09.02.02 up
この恋が呼吸をやめる日
おれは蛮ちゃんがすきです。
相棒として、そして特別な感情を持ってすきです。
蛮ちゃんはとっても強くてカッコよくて、ギャンブルと胸の大きい女のひとが大好きで。口が悪くて短気でちょっと乱暴だけど、ホントはすっごく優しくて……そうゆうところがだいすきです。
でも、この想いはずっとずっと秘密。
何故なら、上でも述べたように蛮ちゃんは女のひとが好きだから。
男であり相棒でもあるおれから、こんな想いを告げられたら、きっと困ってしまいます。
あ、ちなみにおれも男が好きなわけじゃなくって、蛮ちゃんは性別とかうんぬんを飛び越えて特別なのです。
おれ、よく蛮ちゃんにアホって言われるくらい単純だし、ウソって得意じゃない。
…けど、これだけは知られるわけにはいきません。
叶わない想いは、いっぱい苦しくて辛くて、せつなさばかりを残すのかもしれない。
それでも、おれはこの想いを捨てようとは思いません。
この恋が呼吸をやめる日は、きっとおれが死んじゃう日だから。
「おい、銀次。行くぞ」
「あっ、蛮ちゃん待ってよ〜」
蛮ちゃん、蛮ちゃん、だいすきです。
言わないから、隠し通すから、ずっとずっとトナリにいさせてね。
[ end ]
蛮←銀次
片思い銀ちゃん。
銀ちゃんは蛮ちゃんのためなら、こういう嘘も吐ける子だと思います。
でも最終的には蛮ちゃんにバレちゃうっていうか、そういう部分を包み込んでもらって、結ばれると良いねー、と思います。
くっついてない話だと、この二人、関係が変わるのが怖くてなかなか進展しなさそうかもと思ったり。そしてその分、互いの気持ちがわかったら、ばかっぷる一直線だと思います。間違いなく!(そもそもひっつく前から、ばかっぷるですし。笑)
09.02.01 up
生きることをやめられないでいる
対の眸と右腕に強大な力と呪いを宿し。
実母に拒絶の言葉を投げられて。
仲間をその手で殺め、裏切り者と罵られ。
……それでも、愚かしい生を繋いでいた。
邪馬人との約束があるってのもあったが、ヒトは簡単に死ねるようで死ねないんだ。
俺らのようになまじ力があると尚更な。
まァ、それも今はよかったと思える。
「ねーねー、蛮ちゃぁん」
「おーう。どうしたよ?」
「…お腹空いて切ないのです」
「……またそれかよ」
さっきヒトの分も食い尽くす勢いで昼飯食ったばっかだろうがっ!
「んあ〜。い、いたいよぉ〜!」
陽光と同じ色彩の頭に拳骨を落として、大口を開けて笑う。
「あほ。タレんな」
「はぁい」
銀次と馬鹿をやる日常が騒がしくてあたたかで、…シアワセだと感じる。
呪われし宿命?
どってことねーよ。
何があろうと、他者を信じることをやめない。誰かを愛する思いも捨てない。
太陽よりも眩しく笑って、
ガキみたいに盛大に泣いて、
珍種の動物みたくタレて、
たまに手に負えないくらい怒って、
そしてまた、微笑ってくれる。
俺の隣には、そんな銀次がいつもいるのだから。
[ end ]
蛮×銀次
ふたりは互いが必要不可欠だと思うのです。
09.01.24 up