happy time
西浦高校野球部の練習はハードだ。
応援団の浜田に‘お前らの練習量って県内上位だろ’と言わしめるほどに。
そんな部活の最中の休憩時間。
三橋はフェンスに凭れ掛かり寝息をたてている阿部を見つけた。
(あ、あべくん だっ)
てこてこと近くに歩み寄ったのだが。
(ううっ、アイちゃんもいっしょだっ…)
阿部の膝で同じく寝息をたてている監督の愛犬に気付いて、足が竦んでしまった。
そろそろと足音と気配を消してアイが居ないほうの阿部の隣に腰を下ろす。
そよそよと暖かい風が柔らかく頬をくすぐり通り過ぎた。
(もう少しこのまま…)
稀に見る阿部の寝顔を見つめながら三橋は自分でも気付かないうちに
これ以上ないほど倖せそうにふんわり微笑っていた。
+ + + +
けれど倖せな時間と言うものは光の速さで駆けて行くものだ。
「休憩終わっぞー。全員集合!」
主将である花井の声に三橋はわたわたと慌てた。
(うっ お、起こしたく、ない… 起こしたくないっ、 けど)
そんなわけには勿論行かない。
このままでは阿部も三橋自身も練習サボリになってしまう。
ふう、と深呼吸して阿部の練習着の袖を摘む。ちょいと引っ張った。
「あ、阿部君、起きて」
「……ん、あ?」
「休憩終わりだよ?」
「…ああ、わり。サンキュ」
(オレのしあわせな休憩もおしまい)
まだ眠たそうにしている阿部に手を差し伸べて貰って、
二人は仲良く並んでグラウンドに戻った。
[ end ]
うささんから頂きましたアベミハ
かわいい!阿部っち寝顔が無防備過ぎるー!(笑)
ときめきのあまりアベミハ小話を猛スピードで書いてしまいました。
きっと日曜日の練習中とかですよねー。ああ、微笑ましいバッテリーです。キュン!
うささん!素敵イラストどうもありがとう御座いました♪
07.07.04 up