HOME >>

OOFURI

 いとけないところが愛しい

「なぁーなぁー秋丸ぅ」
 だきゅっ。
「うん、どしたん?」
「お前オレのどういうとこが好き?」
「顔」
 すぱっ。
「…おまっ、0.2秒で答えんなっ」
「ひどいな。榛名が質問するから答えたのに」
「じゃ、じゃあ他ンところ!」
「感度が良いところ?」
「………ほか」
「イく寸前の泣き顔がエロくて可愛い」
「…〜〜ッ、もっとちげぇやつっっ!!」
「髪がさらさらで揺れるの見たり梳くのが好き」
(…お。やっと、ちょっとまともなのがきたぞ)
「寝惚けてるときに舌足らずになるのも幼くて可愛いなー」
「ううっ、どうせカツゼツ悪ぃよ。ほっとけ」
「あと、そうだなー」
「なぁ…」
「ン?」
「なんで、そんな変なのばっかなんだよ。
 もっと他にあるだろ。野球のこと一つも挙げてねぇし」
 ぶーぶー。
「オレしか分からないところを挙げてみてるつもりなんだけど。
(あ、でも顔はみんな思っちゃうかな)
 野球のことは他のみんなも思うことでしょ?」
「………ああっ、おおっ」
 指折り数えて確認してから、手のひらをぽんっ。
「つか、わっかりにくい!」
「あ、あと」
「えっ?? まだあんのか」
「こういう質問をしてくる榛名がいじらしくって可愛くて堪んないよ」
 満面の笑みでぎゅうっ。



 ***



「………あ、そ」
 ぷいっ。
「顔赤いよ、榛名」
 にっこり。
「…っ!! うるさいっ、つかテメ放せ!」
 じたばた。
「ねぇ、榛名はオレのどこが好き?」
「そんなもんねェよっ」
「…嘘吐き」
 耳朶れろっとしてあむっ。
「ひぁっ!」
 びくんっと肩竦め。
「じゃあ榛名は、好きでもないやつにこんなことされて感じちゃうんだ?」
 左手で腰撫で撫で。
「あっ…、ちがっ、ちげぇっ!」
 首ふるふる。
「ん?」
 右手を胸元に這わせ。
「や、だっ、そこは…」
 力が入らないけど抵抗。
「もー、さっきから嘘吐きだな。榛名はここ好きでしょ?」
 布越しに突起をきゅっ。
「あぅ…!」
 びくびくっ。
「ほら。硬くなったよ」
 服をぐいーと捲り上げ。
「も、い、やだ……ぁっ」
 腰をホールドされている腕をぐいぐい。
「榛名、直接舐めてあげようか?」
 あらわになったそこに、ふっと息を吹き掛け。
「っ、ん…」
 やだやだと、もう一度首を振る。
「はるな、どうしたの、嫌なの?」
 舌先でちろっ。
「ァ、ん…ち、ちげっ…」
 腰がずくずく。
「じゃあ、どうして欲しい?」
 片方をもぐもぐ、ちぅ。もう片方はくりくり、捏ね捏ね。
「あ…っ、ン…いじわる、すんなぁ…」
 胸元に押し付けるように色素の薄い頭をぎゅう。
「意地悪されるの好きなくせに」
 かぷっと甘噛み。
「ひぅッ…だ、だから、好きじゃねぇっ!!」
 むきょー。
「そう? じゃあ止めよっか?」
 あっさり。
「…うぐっ!?」
 ギシッ。
「オレ、榛名が嫌なこと無理強いしたくないし」
 にっこり。
「………うううっ!」
 うりゅ。
(あ、やばい。ちょっと苛めすぎたかな…)
「きょーへー…」
「あ、うん?」
 目尻の涙をそっと拭ってやり。
「…しっ、しろ…」
 顔真っ赤っか。
「…ッ!」
 どきゅん。
「…恭平?」
 きょとん。
「…あー」
 くらくら。
「どうした?」
 ハテナがちょいんちょいん。
「…あ、いや、うん。めいっぱい優しくしてあげる」
 ちゅうっ。


 [ end ]
アキハル
「世界中とまでは言わないので日本中にアキハルが溢れかえれば良いのに」 っていうコメントと一緒に日記に投下していたアキハルの会話。よっぽど餓えていたみたいです。あーきーはーるー!
08.07.05 up





 青少年の苦悩 

「きょーへーきょーへー」
 今日も今日とて榛名が俺を呼ぶので、はいはい。どしたん、と今日も今日とて俺は答えた。
「お前、ユニフォームでえっちって燃えるタイプか?」
「ぶっ!!」
 …あ、しまった。榛名があまりにもすごい豪速球を放るので、口から変なものを噴出してしまった。汚い。
「…突然どうしたの?」
 何言ってんの。バカじゃないの、と返さないのは、相手が榛名だからだ。榛名は、くだらないことにも大概真剣だし、そもそもくだらないと言う定義など、ひと様々だ。傍から見れば、くだらないことだとしても、榛名の口から発せられた時点で、それは俺にとって意味のあるものに変化する。恋はとことん盲目である。
「世の中にはコスチュームプレイ、略してコスプレって言うのがあるだろ。で、ユニフォームを着てやんのもそれに当てはまんのかなーって思って」
「……うん、当てはまると思うけど」
 …制服があるんだし、ユニフォームがあっても不思議ではない。多分。
「そっかー。だよな」
 榛名がキラキラと瞳を輝かせている。
 ああ、なんかとっても嫌な予感。って言うか悪寒がする。
「ほいっ」
 声と共に、押し付けられる、見慣れたグレーのユニフォーム。
「…何?」
 思わず、問い掛けたが、本当は返答など分かりきっていた。
「ん。だからユニフォームプレイ。さっさと着ろよ」
 言いつつ、榛名は着替えを始める。
「榛名、まじ?」
「オレはいつでも大真面目だ」
 えっへん!! と胸を張って言われて、脱力感と眩暈に襲われる。
 てかどうせなら、セーラー服とかのが良くないか。きっと、榛名は顔が可愛いから、似合うと思う。想像したら (いや、この場合妄想かな。まあ、どっちでも良いけど) 興奮した。
 セーラー服の榛名、見てみたいなあ。
 言おうかと思ったが、じゃあお前もセーラー服着ろよ、と返される可能性があることに気が付いた。…うん。やっぱり、口に出すのは止めておこう。
「きょーへー、着たぞ」
 俺が考え事に没頭している間に、榛名は着替えを終えていた。
「お前、何やってんだよ!! おっせーよ!」
 短気な榛名の手が伸びてくる。乱雑な手付きで服を捲り上げられた。
「わわっ、自分で着替えるってば」
 慌てて、丁重にその手にご遠慮申し上げて、ベルトを抜き取る。
「早くな」
 ベッドに腰を掛け、マウンドに立つときと同じ姿の (あ、帽子がないのが惜しい) 榛名が艶々に微笑う。
 ああ、これはこれで、先程とはべつの意味で眩暈がする。クラクラする。
 多分、俺は (榛名に関してだけ) 頭がおかしいのだろう。
「ねえ、榛名……」
「うん?」
「これってコスチュームプレイなんだよね?」
 せっつかれながら、手と口を同時に動かす。
「そうだぜ」
「じゃあ、エロいことして良いんだ?」
 アンダーの襟口から顔を出すと、至近距離に榛名の顔が迫っていた。
「わっ、びっくりした」
 いつの間にベッドから移動したの?
「…なあ、きょーへー?」
 首に榛名の腕が絡み付く。ぐいーと前に引っ張られて、榛名の頭を庇いながら、ベッドにダイブした。
「すごぉいことしてくれるか?」
 俺の下に組み敷かれる体勢を、自ら導いた榛名が、歌うように誘う。言葉とは裏腹な無邪気な表情で微笑う。
「榛名がすごぉくエロいカオしてくれるんならね」
 吸い寄せられるままに、くちびるの前で囁いた。
「それは恭平のテク次第だろ?」
「言うなあ」
 挑発ばかりを紡ぐ、そのくちびるを思いっきり塞いで、どんなやらしいことをしてやろうかと考えていた。


 ああ、そういえばオレ、まだアンダーしか着てない。…榛名が後にいじけそうな予感がした。


 [ end ]
アキハル
秋丸がどんどんマニアックになっていきます。あわわ。
榛名がきっちりユニで秋丸はアンダー姿だと萌えると思いました。
ええ、それはもう全力で思いました!
08.06.20 up





 君が一番好きな場所にリボンをかけて

 榛名の左手。
 長い人差し指がぴっと示す。
 胡座をかいた俺の股の間を。

「…あのさ榛名。もうちょっと可愛いところ指差せないわけ?」

 ―― お前の球を捕球する手とかさ。

 俺は気のせいではない頭痛に頭を抱える。

「なんでだよ?」

 ―― この上なく素直でカワイイ場所だろ?

 榛名は心底不思議そうに、首を傾げた。

 どうしたもんかと返答につまっていると、大きな体がもそもそと上体を屈める。

「…くれねェの?」

 脚に頬を付けて、目の前の俺のベルトを爪で弾く榛名。
 理性が白旗を挙げて降参。

「いや、やるよ。幾らでも。望むだけ」
「おうっ、バッチコイ」

 淫らなことをねだって、無邪気に微笑む榛名に、俺はどうしようもなく欲情する。


 [ end ]
アキハル
なんでかアキハルはエロい方面に走り出したくなるのですが、なんでだろ…。
いっそ全力疾走で駆け抜けてくれば気が済むのかな (いや、きっともう一周するハメになる)
08.05.25 up