避けられないものだった?
・ 避けられないものだった? (さよなら)
昨日までボクを抱きしめていたその両のかいなで、あなたはボクを突き放し捨てて行った。
・ 悲しすぎる音の群れ
広い、広過ぎるお城の中をぺたぺたと歩いて、目的の部屋まで一目散。
扉を閉めるときにバタンと響いた音が、あなたがいないせいか、やけに耳についた。
随分前にぬくもりの消えた寝台へと、そのままフラリと倒れ込む。
「あにうえ…」
ぎゅっと目を閉じれば、勝手に溢れ出すこの水分はなんだろう?
そう思いながら、もう目覚めなくて良いと絶望を抱いて、夢の世界へ。
あなたのいない、あなたのベッドの上の出来事でした。
・ 百年後に目覚めさせて
夢の世界で、ボクはあなたとお喋りをしている。
物質界は興味深い。非常に愉快だ。珍しいもので溢れかえっており、人間は愚かでとても滑稽だ。だがやはり面白い、とあなたは繰り返す。
あにうえ、あにうえ、ボクはあなたと喋る度に、物質界など早く破壊してくれませんか、と父上にお願いしたくなります。
ボクの唯一無二の存在の心を奪ってやまない、世界など要らない。
消えてしまえ。
・ 処方箋があるのならば
永遠に眠っていても構わないのに、無情にも朝が来ると、目は覚めるもので。
むくり、と起き上がり、腕の中に飛び込んできたベヒモスの頭を撫でてやる。
なでなで。
数回繰り返して、ベヒモスが突然慌て出したのを不思議に思いながら、首を傾げた。
そのときに初めて、頬に水滴が伝っていることに気が付いて、胸を押さえる。
「いたい…」
ボクは病気でしょうか、兄上?
・ さよなら、したいのです (出来るものなら)
この気持ちを、あなたごと。
そう思う度に、そんなことはさせないし出来ないだろう、とあなたが嘲笑っている気がするのだけど。
[ end ]
メフィアマ
報われないアマたんが書きたくなり。でも、書いたあとで結構ショックを受けてみたりでした。
やはりラブラブが良いですね。
11.12.18 up