生クリームやチョコレートよりも甘い .....オルシャニたん
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それは12月24日の夜の出来事。
ミニマムお手てがそっと抜き足差し足忍び足 (いや、手だが) で赤い物体に迫る。
ボールの中にあるそれを、ちょい、と摘み上げた。
(ゲットにゃ!)
そう確信した瞬間。
「……こら、シャニ」
聞き慣れた、でもそれよりは一オクターブ低いトーンの声が降ってきた。
「ふ、にゃ、ぎゃッ!?」
驚いて裏返ったおかしな声を上げてしまう。
そろぉ、と顔を上げると、背景におかんむりな雷フラッシュを背負っているオルガがいた。
「ったく…つまみ食いすんなって」
ため息交じりに、シャニを抱きかかえる。
肉球お手てから苺を回収した。
「しゃ、シャニたんのイチゴぉぉぉ……!」
いやにゃいやにゃ、と駄々っ子モード発動でシャニは泣き (鳴き) 出した。
「いや、だからケーキ完成したらいくらでも食えるだろ?」
よしよし、と宥めて、説得を試みるも。
「今、食べたいにゃよ!」
肉球パンチのプレゼント付きで、勢いよく訴えられた。
「でもよ。今食っちまったら、それこそケーキの上が白いクリームだけ状態のそりゃーもうさみしいことになるぜ!」
「…うぎゅ。にゃうにゃう〜。それも嫌にゃー」
頬っぺたをぎゅむぎゅむ押されるのに堪えながら、オルガが力いっぱい答えると、コバルトグリーンの髪がしょぼ〜んと項垂れる。
今度は苦笑交じりに、頭を撫でてやった。
「仕方ねぇな。一個だけな」
小さなくちびるに、ほい、と赤い苺を近付けると、色違いのオッドアイがキラキラと輝く。
「おるにゃ、ありがとぉ」
「どういたしまして」
「おいしいにゃ〜」
「おう。完成したら、もっと美味いぜ」
ホクホクと頬っぺたを押さえるシャニを肩車して、オルガはケーキ作りのためキッチンに戻った。
―― 金髪碧眼のパイロットは可愛い小さな小さな恋人に、これから完成するクリスマスケーキよりも甘々だったりする。
*** あとがき
毎年恒例、クリスマスオルシャニたん。これは2008年版。詳しい設定は‘ねこねこパニック’を御覧下さい。
オルガさんはシャニたんにあまあま♪
常の光景 .....オルシャニクロ
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「精々被弾して墜落しないようにな」
「オルガぁ、飛べないからってひがみ?」
「乗せてあげようか〜?」
「うっせーよ」
MS格納庫。
練習出撃前に騒がしい。
「大体くっちゃべってないで、準備出来たんなら、とっとと先に出撃すれば良いだろうが?
何わざわざ待ってんだよ、バカ」
言ってやれば、シャニの眉間にシワが数本、クロトはギリリッとくちびるを噛んだ。
(きっと、三人じゃないと調子が出ないから)
*** あとがき
シャニとクロトがオルガさんを挟んでる図が好きです。
星の海をこえて .....オルシャニ
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「ねぇねぇ、あれが前オルガが話してた天の川?」
「あン?ああ、きっとそうだな」
「へぇ、けっこう長いね」
「そうか?」
「だって長いと泳ぐの大変だよね〜」
「いや、彦星は泳いで織姫に逢いに行くわけじゃねぇぞ…」
「でもオルガは飛べないから泳がないと」
「おい、オレが彦星なのか?」
「うん」
「シャニは織姫?」
「うん」
「……」
「なんだよぉ。逢いに来てくんないわけぇ?」
「いや、シャニが織姫なら問題ねぇなーって思って」
「……いみわかんない」
「シャニのフォビは飛べるだろ」
「…オレから行くのかよ?」
「そのほうが効率が良いだろ?」
「…やだ。うざ。つまんない」
「…俺から行かせていただきます」
「ホントに?」
「ちゃんと待っててくれるならな」
「早く来ないと寝ちゃうかも?」
「早く行ってもどうせ寝てんだろー」
「あーそうかもね〜。でも寝てても王子様のチューで目覚めるんだよ」
「ちょ、待て待てシャニ。お前、俺がこの前話した童話と神話がごちゃ混ぜになってんだろ」
「あれ?そうなの?」
「そうだよ」
「まぁ良いじゃーん。オレはあの話も気に入ったよぉ」
「寝てるだけの姫が気に入るってどうよ」
「良いの。て脱線してるよぉ」
「いや、誰のせいだよ」
「あれ?なんの話だっけ?」
「俺が泳いで天の川を渉って眠り織姫のシャニを起こしに行くって話だ」
「あ、そうそう。それ」
「気持ちよーく眠ってんの起こしても怒らないんだったら起こしに行くぜ」
「オルガのチューなら許してあげないこともないよ」
「きっとチューだけで済まないけどな」
「そんなの当然」
―― だって一年に一回だもん!
*** あとがき
2007年七夕オルシャニです。シャニをちょっと饒舌にし過ぎちゃいましたがお気に入りです。
for you .....オルシャニたん
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「ジングルベル〜にゃ〜」
今年のクリスマスもシャニは鼻歌交じりにクリスマスツリーの飾付けをしていた
天辺に飾りたいらしい星を持って短い手足をちたぱたさせている
ぴょんぴょん跳ねたりもしているが、あのぽんぽこにゃんこ姿では
どうにも届きそうにはない
本人は必死の姿がちょっと可愛い
いや、かなり可愛い
あんまり可愛いので、
もうしばらく見守っていようかと思ったが……
「にゃ、にゃうにゃうっ!このこの〜!!」
(あ、やべ…)
あまり気の長くない短気のシャニは (って短気は俺も人のことは言えねぇが) 癇癪を起こしかけていた
俺はケーキをデコレーションするためにホイップしていた生クリーム入りのボウルに突っ込んだ泡立て器から手を放すと、
慌ててシャニの後ろに駆け寄った
ひょい、と抱っこしてやれば、眸を輝かせ、尻尾を振り振り
ツリーの頂上に一番星が輝いた
「出来たにゃ」
「おう、お疲れ」
にゃふにゃふ、と嬉しそうにシャニが俺を振り向く
ハハッ!可愛いやつ
俺は本日二度目の想いを抱きつつシャニを連れてキッチンに戻った
***
「そういえばおるにゃ〜」
「んー?どうした?」
「今日はクリスマスだからおるにゃのところにもサンタさん来るにゃよ」
だからちゃんと靴下つるすにゃ、と完成したケーキを頬張り、
シャニが突然そんなことを言い出した
俺は頭上にハテナを飛ばしながら
「そうだなー。来ると良いなぁ」
相槌をうつ
「絶対来るにゃよ。シャニたんが保証するにゃ!あ、これあげるにゃ」
シャニは力説し、キラキラと眸を輝かせながら自分と同じくらいの大きさの巨大靴下を俺にプレゼントしてくれた
俺はやっぱり頭上にハテナを飛ばしながらシャニのプレゼントを受け取った
***
翌朝俺は昨夜のシャニの言葉の意味を知る
「すぴすぴ〜…」
つるした靴下の中にシャニが入っていたからだ
頭には赤い帽子着き、
服はふわふわの白い襟付きのやっぱり赤い服だった
どうやらサンタの格好みてぇだ
すっぽり丁度シャニサイズの靴下はこれのためだったのか
巨大靴下にちょん、と収まっているシャニは
なんかもうべらぼーに可愛い!
「……はっ!?にゃ?…寝ちゃったにゃ」
俺が上機嫌でシャニの寝顔を眺めていると、こしこし目を擦りながら
プレゼントは目を覚ました
パチッと目が合えば
「おるにゃ〜メリークリスマスにゃ」
「ああ、メリークリスマス」
シャニとのクリスマスは今年も最高だ
*** あとがき
去年も書いたクリスマスのオルシャニたんです。詳しい設定は‘ねこねこパニック’を御覧下さい。
オルシャニたんのお話を書くと、いつも以上に過保護オルガさんが書けるのでとっても好きです。
シャニたんの‘ぽんぽこ’とか‘ちたぱた’とか可愛い造語表現も使えるから好きなのですよー。
届かないと知りながら .....オルシャニ
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あいつらの言う、
所謂‘宇宙の化物’たちとの戦いで
全てを失った俺が辿り着いた場所は
何も無い、狭い狭い世界だったと思う
でも
それでも良いと思った
俺の手には持てるもんなんてねぇし
持ちたいとも思わなかったからだ
どうせ
終いには全部無くなるんだ
最後には自分の体も命も
心さえも…――
だったら持つものなんて要らねぇ
ずっとそう思っていた
でも
しばらくして
そいつと共に戦場を駆けた瞬間から
たったひとつだけ
ただ1人だけ
そこに居て当然の
傍に居て欲しいと
そう思う存在が出来てしまった
終いには全部無くなることを知っている俺は
この手にお前を持てやしないけど
心にさえ
きっと何れ持てなくなっちまうだろうけど
それでも
共に居られるうちは傍に居ようと思う
いや、居たいと思う
何度でも何度でも飽きるほど呼ぼうと思う
「おい、シャニ」
「あ〜……あんた誰…?」
「…ったく…オルガだ。いい加減覚えろ」
たとえ
あいつらに壊されたお前の心に
俺の名前を留める事さえ叶わなくとも ――
*** あとがき
Uさんと絵茶でお話中にぽん、と思いついたオルシャニ
ブーステッドマン強化インプラントStage4のシャニは精神破綻の度合いが高いため、オルガのことをするする忘れてしまいます。
でもオルガは何度でもシャニのことを呼ぶのです。
きみのとなり .....オルシャニ
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あの頃はいつだって辛いコトばかりが溢れていた
それでも歩みを止めなかったのは戻れない場所まで来ていたから
あともうひとつの理由
オルガが居たから
オルガと一緒に戦いたかったから
誰かと対等って難しいけどさ…
どうか隣に並ばせて
その横顔を見させて
背中を見送るだけなんてオレは絶対に嫌だから
*** あとがき
昔の作品を発掘したのでUPしてみました。
このテーマはホントによく書きます。後ろでも前でも無くて、となり、が好きです。
キスの雨を降らせよう .....オルシャニ
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くちづけの回数を数えてみよう
オレ達は今まで何回キスをしたかな?
* * *
「んっ…ふぁ……」
大きく酸素を吸い込む。
それを狙っていたかのように口腔へ潜り込んでくる熱い舌。
逃げようとしても追いかけてくる。
観念して舌先を絡めれば目の前のアクア色がふ、と綻んだ。
頭の芯がぼぅ、として来て漸く解放された。
「お前なあ、こういうときは目瞑れよ」
「オルガこそ」
目開けっ放しだったけど?
言われた台詞をそっくりそのまま返せば、オルガは照れたようにそっぽを向いてしまった。
主導権がこっちへ戻ってきたことに笑む。
「いまさら〜」
クスクスと笑いながら抱きつく。
オルガはうっせぇなって乱暴にぼやいてた。
「ね、あと何回ちゅー出来るかなぁ?」
ぎゅーと抱きついたまま耳元で囁く。
アクア色の瞳が驚きに瞬いた。
「な、に…言ってんだ…」
「いっぱいしようね」
傷付けたかな、と思いつつ動揺しているオルガの頬をよしよしと撫でる。
「…ッ!何回だってしてやるよ。シャニが望むんなら幾らだってしてやる」
「ありがと…」
強く強く抱きしめてくれる腕が愛しい。
オルガの声はまるで泣き出しそうだった。
きっと傷つけちゃった。
ありがと…
そしてゴメンね…
オルガの言ったことは叶わない。
オレ達に未来 (これから) はない。
それでも今は生きてる。
ちゃんとこの腕の力強さを、温もりを感じてる。
オルガ…
たくさんキスをしようね。この命が尽きる前に ――
***
キスの回数を数えてみた。
あと何回…オルガとキスが出来るかなあ…。
*** あとがき
これまた昔の作品の改訂版
オルシャニを好きになってからキスのブームが来ました。
ちゅうっと啄ばむ感じのとか好きです。かわいい。
シャニよりオルガのほうがキスするの好きそう、と勝手に思っております。
ナイフ .....オルシャニ
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「ナイフって綺麗だよねぇ…」
ナイフの鋭利な切っ先を眺めて、シャニは恍惚と微笑んだ。
研かれた側面はガラスのように光るし、そんな風に言われて、考えてみると、確かに綺麗かもしれない。
けど、何かが違う。
「綺麗とはちょっと違うくねぇ?」
同意を返さないオルガに、シャニはぷぅ、と頬を膨らませた。
「きれいだもん」
指先に切っ先が宛がわれる。薄い皮が裂け、紅い液体が溢れ、手のひらから手首へと滴り落ちた。
「シャニ……。止めろ」
そのまま黙って見ていたら指だけで済まない予感がした。オルガはシャニの手からナイフを奪った。
「あ、返してっ」
ハッとした表情。まるで拠り所を失ったようにナイフを取り返そうと伸びてくる華奢な腕。その腕を掴み、オルガは眉を顰めた。
見たくないものを見てしまったからだ。
白い腕は傷痕だらけだった。
「止めろよ……これ…」
傷痕に唇を寄せ、哀願にも似た声音で、囁く。
「どうして?」
シャニは心底 "どうして哀しそうな顔をするの?" と、不思議そうな表情で応えた。
傷付くのが恐いなんて馬鹿げている。だって自分達は生体CPUなのだ。傷付くことを恐れるほうがおかしいのかもしれない。
けど、それでもオルガは、シャニに傷が付くのは嫌だと思った。
たとえ自分の勝手なエゴだとしても嫌だと思った。
だからナイフを返してやることは出来なかった。
*** あとがき
オルガはどんなときでもシャニに優しいのが好きです。
はるうらら .....オルシャニ
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本を読んでいて気付いたら眠っていました。
そんな経験、読書好きの人間なら誰にでもあるだろう。
オルガ・サブナックも例外ではなかった。
コクリコクリ、とずり落ちそうになる頬を、手のひらが支える。
机に肘を立てて、目の前にライトノベルを広げて、眠ってしまっているオルガを、シャニは向かい合わせの席に座って、じっと見ていた。
(途中で寝ちゃったんだね…)
栞も挟んでいない本を尻目にそんなことを思う。
本当に眠っているのかな、と半信半疑に、オルガの目の前で、手のひらをひらひらとさせてみた。
反応が返ってこないところを見ると、本当に熟睡しているらしい。
(オルガの寝顔……)
朝に弱くオルガより早く起きることなんて滅多に無いシャニは貴重な状態を嬉しく思う。
くすり、と口許が弧を描いた。
腕を伸ばして、鼻先をちょいちょいとつつく。
ほんの少し顰められた眉が可愛いと思った。
(あれ……?人の寝顔ってなんか眠くなる…)
しばらくして、重力にならって落ちてくる瞼を、重たく感じた。
其れでなくてもシャニは眠るのが好きだ。
目の前で気持ち良さそうに眠っている恋人がいれば尚のこと意識がとろん、としてしまう。
肘をついて、手のひらで頬を支えていたシャニの腕が、机の上にペタリと落ちる。
こくこく、と前のめりになりそうになる顔を腕の中に沈めた。
程無くして規則正しい寝息が2つになる。
愛しい人のまどろむ姿に眠りを誘われた午後の出来事 ――
*** あとがき
ほのぼのも好きです。お昼寝は気持ち良いですよね。
哀しい予感 .....オルシャニ
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『青き清浄なる世界のために』 と掲げているくせに、人の生命を弄ぶ。
まったく馬鹿げた話だ。笑ってしまう。
生まれる前に遺伝子を弄くるものと、
生まれた後に肉体を弄くるもの。
一体何がどう違うのか。
狂ったこの世界で生き残るには、強さだけが必要だ。
「検体NO,82はなかなか良いようですよ…」
襲い掛かってきた‘もの’を渡されたナイフで切り裂いて、生温かい血の水溜まりに足を踏み入れた。
遠くのほうから研究員たちの声が聞こえてくる。
検体ナンバーがどうのこうのって…。
ああ、オレの話か。
今度はその場に座り込んで、耳を塞いだ。
あいつ等は嫌い。嫌い。嫌い。
だってオレを‘人’として扱ってくれない。
死体も嫌い。嫌い。嫌い。
だってこんなにも穢い。
ねえ、オレは‘人間’だよ。
頑張っているのは死にたくないからだよ。
―― 殺されるよりは殺すほうがマシってね。
ひとり隔離された空間の中で、思い出したのは、オルガの言葉だった。
オルガのことを思い出すと、クロトのことも思い出した。
すると突然、視界が滲んで、猛烈にふたりに逢いたいなぁ、なんて思ったりして…
血の水溜まりに、透明の雫が落ち、綺麗な波紋を描いた。
次の再会は、オレの心が壊れた後だろう、と、予感していた。
*** あとがき
シャニは人間が、特に研究員は嫌いだったんじゃないかなぁ、と勝手に捏造です。
恋の病 .....オルシャニ
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貴方から愛の言葉をもらうたび
まるで風邪をひいたようになるのです。
「オルガ、顔熱い」
「あン?風邪か?」
火照った頬を白く小さな手でぺちぺちと叩きながら
シャニは恋人であるオルガにそう告げた。
すぐに大きな手のひらが額に当てられる。
顔を覗き込むと血行の良い桜色の頬。
普段は蒼白いのに今はそれが嘘のようで、
情事の後のせいもあるよな、とオルガは思った。
「熱はねェな。ゆっくり寝たら治るって」
若草色の髪を労わるように撫でてシャニの肩を抱き寄せる。
ぽふっと布団をかけた。
「治んの?」
寝転がったまま傍にあったオルガの指をもてあそび
シャニが小さな声で問い掛ける。
「んー…シャニが大人しくしてたらな」
オルガは小さな手を握り返して優しく応えた。
「そっか、治っちゃうんだ…」
シャニが少し残念そうに呟いた言葉の真意をオルガは知らない。
貴方から愛の言葉を貰うたびに身体中の血が燃えるのです
まるで熱が出たように火照った頬が冷めなくて、性質の悪い風邪のよう
人はそれを ‘恋の病’ と呼ぶそうです
*** あとがき
(相変わらずですが) シャニ乙女全開!
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